債券には「仕組み債」と呼ばれる種類のものがあります。
通常、債券のクーポンはその債券が発行されるときの金利と債券を発行する発行体の信用によって決められます。
しかし、それだけでは投資家が満足しない場合(例えば、日本のようにゼロ金利だった場合など)、投資家がリスクを負担することで高い金利を得ることができるような仕組みをもって債権を発行することがあります。
このようなものを総称して「仕組み債」と呼びますが、その内容は非常に多岐にわたっています。
ch2-1で説明した債券とは、その利息が常に一定期間に一定の割合で付くことで将来に得る配当があらかじめわかっていました。
このような仕組み債では、リスクをとっているので多くのクーポンがもらえる可能性がありますが、予測が外れるとクーポンが少なくなるばかりか元本が戻らない場合もあります。
いくつかの例を挙げて見てみましょう。
[デュアルカレンシー債]
これは、債券を買う時や利息をもらうときなどは”日本円”で買い、日本円で利息を受け取るのですが、最後に償還されるときには、(例えば)米ドルで受け取るというものです。
円安であれば償還金額は(円換算の)元本を上回りますが、円高であれば元本を下回ります。
為替を利用した仕組み債は数多くあり、これは各国の金利差を利用しています。
途中償還の条項などよく確認しましょう。
[リバースフローター債]
市場金利が低下すれば利率がアップし、市場金利が上昇すれば利率が下がります。
これは、通常の債券と組み合わせることでリスクヘッジに使用できそうですね。
仕組み債には便利なものも多いです。
そのリスクを上手に使うことを考えましょう。