株式投資の勉強 財務諸表

Chapter 2 貸借対照表

Chapter 2-2 貸借対照表の見方

それでは、貸借対照表の中身を見ていきましょう。
まず、貸借対照表は次の図に表されるように、資産・負債・資本が記述されています。



資産
 流動資産 : 1年以内に換金される資産
 固定資産 : 長期で保有する資産

負債
 流動負債 : 1年以内に返金する負債
 固定負債 : 1年以降に返金すればよい負債

資本
 資本金 : 株式の発行によって得た資金
 利益余剰金 : 会社運営の中で内部留保している資金

会社の資産っていっぱいありますね。。。

まずは、これらの内容を理解しましょう。
それから、次のことを確認してみましょう。

@会社がどのようにして資産を得ているのか?
それは、借金をしてなのか?株主から調達したからなのか?利益を出したからなのか?
それぞれ、負債の大きさ、資本の大きさを比べてみましょう。

これは自己資本比率や負債比率という言葉で表されます。

自己資本比率(%) = 資本 / 資産 ×100
負債比率(%) = 負債 / 資本 ×100

自己資本比率が高ければ会社は安全であるといえます。
同様に負債比率が低ければ会社は安全といえます。

A会社の資金繰りはどうなのか?
短期に返却しなければならない流動負債と短期で換金できる流動資産の大きさを比べてみましょう?
さらに、すでに現金化されている資産と流動負債の大きさを比べてみましょう。

流動比率、当座比率という言葉で表されます。

流動比率(%) = 流動資産 / 流動負債 ×100
当座比率(%) = 当座資産(流動資産のうち、特に換金性の高いもの) / 流動負債 ×100

これらは高ければ高いほど会社が安全といえるでしょう。
流動比率が100%以下、当座比率が80%以下の会社は資金繰りに苦労していると言って良いでしょう。

一方で、当座比率が120%以上であれば、この分は余裕資金と考えて良いでしょう。

B会社が解散した場合の安全性は?
会社の全ての資産から全ての負債を引いた残りは株主のものです。
あくまで簿価ですが、会社が解散したとき、一株当たりいくらの値打ちがあるのか計算してみましょう。

純資産倍率(PBR:Price BookValue Ratio)という指標があります。

PBR = 株式時価総額 / 資本

あなたの買おうとしている会社の株はどの程度の価値があるのでしょう?
財務諸表から見て取れる簿価は、いくらいくらですと、その”いくらいくら”を表す指標がPBRです。

英語のほうがわかりやすいですね・・・BookValue、あくまで”帳簿上の価格”です。
帳簿上の価格ですから、中には市場価格(MarketValue)以上のものもありますし、当然それ以下のものもあります。

バブル期に取得した土地は簿価以下の価格でしか売れませんし、古くなった仕入れ済み商品で特に流行に左右されやすいものなども簿価以下の価格しかつかないかもしれません。
一方で、創業何十年という会社が創業以来都内の一等地に持っている土地なんていうのは簿価より市場価格のほうが圧倒的に高いでしょう。

とはいえ、ある程度の指標にはなります。
PBRが1以下であれば、その時点の帳簿上ではあなたの投資資金は”元本保証”です。
これは安心材料であり、割安銘柄の目安になります。

長かったですが、いかがでしょうか?
バランスシートでは、主に会社の安全性を確認することができます。

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