投資家列伝

ジョン・アーノルド(John Arnold)

エンロンのトレーダー

「エンロン」という企業を聞いたことがありますか?
アメリカの巨大なエネルギー関連企業で、数兆円の粉飾決算により2001年に破綻した企業です。ジョン・アーノルドはこの企業でトレーダーをしていました。

彼は、エンロンで20代のころから鬼才のトレーダーとして名を馳せていたようです。
エンロンでは、巨額の粉飾決算による倒産で、年金の多くを失った被害者を多く出しましたが、エンロン破綻直後に、彼はそのスキャンダルにめげず、巨額のボーナスとその名声を基にして「ケンタウルス・エネルギー」といファンドを設立し、その数年後には、天然ガスのデリバリティブ取引で年間リターン数百パーセントという驚愕のリターンをもたらし、ファンドマネージャー報酬額の上位に顔を出すようになりました。

そして驚くべきことに、高齢のファンドマネージャーが多い中で、彼はまだ30代という若さなのです。

彼を知るトレーダーは「ジョンは他人のカード全てをのぞき見ることができるポーカープレイヤーのようだ」といいます。
また、彼を大学で教えた教授は、「彼が数十億ドルの富を築くことに決して驚かない」と言います。彼は、複雑な計算式、数学に驚異的な才能を見せており、それはファンドマネージャーにとって必要であり、利益をもたらす能力だからです。

現在の彼は、アメリカの多くの資産家の例にもれず、彼とその妻共同で多くの慈善事業にも精を出し、一方でファンドマネージャーとしては自身の資産とごく古くからの顧客の資産のみを運用し、新規の出資者を受け付けてはいないとのことですが、まだまだ年齢も若く、今後が非常に期待されるファンドマネージャーであることは間違いないでしょう。

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