投資家列伝

澤上篤人(Sawakami Atsuto)

長期投資ファンド「さわかみファンド」設立者

1947年 愛知県の生まれ。
非常に苦労人だったようです。

さわかみファンドは1999年8月に設立。当初は赤字ながらも低コストでの運用を目指し、ほとんど直販での販売とする。

ファンドのテーマは長期投資の一言に尽き、短期資金の流入を断っている。
彼は「庶民(サラリーマン家庭)の資産形成を手助けする」ということをファンド目的としており、年100万円ずつ投信を買い、複利13%で運用すると20年後には一億円の資産形成ができると説明する。
現実には、非常に多数の分散投資をしているため、パフォーマンスはほぼTOPIXと同等であるが、年平均で見ると6.6%のパフォーマンスであり、十分な成績ともいえるが、一億円の資産形成に対しては若干物足りない感は否めない。


また、銘柄選択にも個性がある。

もちろん、彼も個別銘柄の妥当価格を算出し、これにより購入有無を決定しているはずである。

しかし、多くのメディアに対して「業績ではなく、社員の頑張っている姿」や「5年後10年後の将来にこの会社が必要かどうか」「会社を応援したい気持ち」などを考えて買うと非常に人間的な部分で銘柄選択をしていることをアピールしている。

これは正に庶民感覚であり、彼の考え方に賛成する信者とまで言われる人が生まれている。

そして、いまや2450億円の大規模ファンドとなった。

現在、さわかみファンドは次のステージ「ヴィレッジ」の構想に取り掛かっている。

この「ヴィレッジ」という構想。
具体的には、低コストオペレーションで得た利益を社会還元に使用し、非営利の施設による文化的な町を作るという、澤上篤人氏の夢である。


こうしたところもまた信者には非常に魅力となっているようだ。

既に高齢であるが、まずは成功を収めた「さわかみファンド」の正念場はこれからのようである。

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