著名投資家の知恵

「再帰性理論」 PAGE10/12

from Conference Speach Delivered April 26, 1994 by George Soros
to the MIT Department of Economics World Economy Laboratory Conference Washington, D.C.

私は、再帰性の現象が発生したとき、あるイベントが発生することについてより、むしろ社会的事件の構造を見る異なった方法を提供することによって、事例を控えめに述べました。

私は、「自然科学では一連の事実が皆が考えていることと無関係に続くということ」と、「社会科学の出来事では知覚と事実との双方向交渉があるということ」を指摘しました。

また、私は「単なる雑音として扱われる反復的な接続によって導入された不確定の要素である平凡且つ日常的な出来事」と「再帰の相互作用が関係者の視点と実際の形勢における不可逆変化を引き起こす歴史的な出来事」2つを区別しました。

このすべてが非常に深遠であって非常に重要ですが、本当におもしろい仕事は、平凡で歴史的な出来事の違いを研究して歴史的な過程のより良い理解を獲得することです。


私はThe Alchemy of Financeに書いて以来、まるで歴史的なアリーナである金融市場ではなく、このような視点で多くの仕事をしてきました。

私は正常な状態と均衡条件から遠くある状態を区別するようになりました。

正常な状態で、関係者の視点と実際の形勢が一点に集まるか、少なくともそれらがかけ離れていくのを防ぐ働きがあります。

私は、これらの状態を「正常な状態」と定義します。
なぜなら、それが私たちの知的な伝統(哲学と科学的研究法を含んでいる)が、われわれに準備させたものであるからです。

私は次のものを「正常な常態」の対照として定義します。
均衡状態からかけ離れたもの、つまり関係者の視点が実際の形勢からかけ離れた場合であり、それぞれが一点に集まる傾向の無い場合です。

私は、いつも均衡条件からかけ離れたほうがはるかに魅惑的であることがわかっていました。
そして、理論上も実ケースについてもそれらを研究しました。

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